2005

グランド・ヴィンテージの年。ワインにとってもドメーヌにとっても大成功をおさめた年。5月にはRVF、「フランスワイン情報」誌上で、「ルシヨン地方ナンバーワンのドメーヌ」と称される。こんなことを言われては、だれでも更に上を目指したいと思ってしまう。この冬は雨が多く、どの品種も実りが少ない。特にグルナッシュ種は、いくつもの畑で実を結ばなかった。夏、暑さもほどほどで極度の乾燥はない。ヒートポンプ二台を設置、カーブに冷風・暖風の送風をできるようにする。ウドン粉病被害が予想されたこの夏、折よく噴霧器二台も到着。作業仲間はスクラムを組み、手際良く、正確かつ丁寧に、模範的ともいえるブドウ栽培を成し遂げた。収穫時の衛生条件を見直し、この年選果用テーブルは屋根裏にしまわれたまま、日の目を見なかった。醸造のしやすい年。ふくよかだが、張りがあり、きりっとしたエネルギッシュなワインが生まれる。出来上がりは鮮烈で 凝った味わい。例を見ないほど良質のタンニンが生成され、熟成を経て開花する、長期熟成向きワイン。歴史に残るヴィンテージである。