2012年

「勇猛果敢な者に運は味方する」。私は子供の頃、このような古い諺が大好きでした。大人になるにつれ、諺が真実を言い表していることに、いつも驚かされていました。私達が、あるクライアントと、オリーブの木々に囲まれながら、昼食をとっていた時のことです。クライアントは、私達が「プロジェクトは沢山あるのに、それを実行するための資金が僅かしない。」と不平を言っているのを見ていて、食事の最後にこう言いました。

「もし仮に皆さんに1000万ユーロがあったら、どうしますか?」よくぞ聞いてくれました。私は、それだけのお金があったら、10年来夢見ていた、この丘を本格的に整備したいと考えていました。私はその丘を区画ごとに忍耐強く耕作していました。しかし、この土地で再びワイン栽培を始めるための資金を手に入れることは決してないだろうと思っていたのです。

銀行からの融資?不可能でした。株主を募集する?私達は、それと引き換えに自由を失うでしょう。それでは、クライアントに聞いてみたら、どうでしょうか?

たとえプランが発進しても、途中で停止し、再び動き出し、行政上の手続きを前に頓挫するでしょう。ワインが売れないのに出費が嵩む可能性がありました。

そして、ある日のランチタイムの会話です。1人のクライアントが他の人にも声をかけ、素晴らしいアドバイス、手紙、アイデア、可能性を提供してくれたのです。2011年の年末、100人のクライアントがル・クロ・デ・フェの株主になりました。私達はそれ以来、決して資金に困ることが無くなった上に、この100人のパートナーのお陰で、スピードを上げたり、ゆっくりしたりする時間を手に入れることができたのです。新たなダイナミクスが始動しました。